渋谷363清水ビル

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本建築はレンタルオフィスの一般解である短形無柱の空間に、デザインされたブラインドをフィルタリングすることで六本木通りと青山通りのコンテクストに、建築をローカライズさせることを目指した。計画地は六本木通りと青山通りが交差するエリアに位置しており、渋谷の『賑やかさ』と青山の『落ち着き』とが共存する敷地である。クライアントが材木屋を営んでいたことと、古くから渋谷とともに時を刻んできたクライアントの、『緑豊富な渋谷の復活』というメッセージを建築に込めたい、という想いかプらロジェクトコンセプトを『SHIBUYA BIG TREE』とし、建築全体を一本の大きな木のようにデザインすることした。建築の外装には色鮮やかなブラインドを纏わせ、街に彩を添えながら『落ち着き』と『賑わい』を表現した。エントランスは2層吹抜け状の空間とすることで、首都高速に負けないスケールを獲得するとともに、1階のリーシングエリアの最大化を図った。また、エントランスの壁には割肌仕上げされた石壁を施す等し、所々にコンセプトを具現化したデザインエッセンスを散りばめている。敷地の文脈よりも機能性や経済性が優先されるレンタルオフィス建築おいて、ブラインドというレンタルオフィスに不可欠な要素をRe:designすることで、機能性や経済性を確保しつつ、敷地の文脈に即した建築を実現した。

DATA

所在地 東京都
主要用途 事務所、店舗、駐車場
建築主 清水ビル、東京急行電鉄
竣工 2015年8月
施工会社 東急建設(株)
延床面積 4,535.09㎡
構造 S造
階数 10F/B2F
竣工写真 小川重雄写真事務所